【質問】:株式の売買で損失が出てしまいましたが、税務上のメリットはあるでしょうか。
【答え】配当金との損益通算や売買損失の繰越控除などの適用を受けることができます。
まず売却した株式に条件があります。その株式が上場株式(※1)であること、そして証券会社(※2)を通じて売却していたことです。
そのような場合には、上場株式(※1)から受け取る配当金については損益通算という合算計算(相殺計算)を行うことが出来ます。その場合のメリットとしては、配当金から源泉徴収されていた所得税(税率7%)の還付を受けられる場合があります。
また、配当金と損益通算しても株式売買の損失が残ってしまう場合には、その損失を翌年、翌々年と3年間繰り越すことができます。
その繰り越した損失は、その翌年の株式の売買益や配当金から控除計算(相殺計算)することが出来ますので、節税メリットを受けることが出来ます。
また繰り越した損失は3年間使えますが、順次控除(相殺計算)して使い切ってしまった場合は無くなるまで、3年間で使い切れなかった場合は切り捨てになるので注意が必要です。
なお、配当金の損益通算や損失の繰越控除などは、損失が出てしまった年から連続して期限内に確定申告を行う必要があります。
そしてその申告書の中で特別な手続きが必要になります。また、ついうっかり3月15日の申告期限を過ぎてしまうと、期限後申告ではこのメリットを受けることが出来ませんので、くれぐれもご注意ください。
※1上場株式の他にも店頭公開株式、公募株式投資信託などが含まれます。
※2証券会社などの金融商品取引業者
神奈川韓国商工会議所 顧問税理士 李富鉄